“愛”なんて気安く言葉に出せない
“一生”なんて簡単に約束できない
それでも一緒にいる事だけを望みたい
それがどんなに困難でも......。







* any time *




後編





「清十郎......」



まだ正午の太陽が日陰になった保健室を照らし付けた......



「簡単に一生なんて口になんかできないし、愛なんて容易く言えない
それでも がいてくれるなら......俺は と共に......」



その瞳が語るのはどんな言葉よりも重い、心のある言葉

きつく腕に包んだ華奢な肩は意志を固めて何時もより強く感じた

午後の授業を早退した は先に敷地内にある寮へ帰った

まずはこの事を二人でゆっくり考える必要がある

幸い明日は土曜日、それも進の部活が休みの日

女子寮は一人部屋が割り当る為、誰を泊めようとバレやしない

この部屋で交わったのも数知れないだろう

コンコン

日が傾いて暫らくもしない時、部屋の窓が叩かれた



「ご苦労様」

「一応、両親には泊ると」

「うん」



進が部屋に上がった後、暫らく沈黙が続いた



「...生みたいよ」

「俺も生んでほしい」

「...うん、ありがとう」

「俺は何時でもそばにいるつもりだから」

「...うん。」



握った手に力が入る

それに応じて握り返してくれる進



「...清十郎......」

「?」

「清十郎が...18になったら...私と」



が言いきる前に進は を抱き寄せて囁いた





“結婚してくれ”








翌日の土曜日、正午

二人は両親を集めた

互いの両親が顔を見合わせた時はこれから何が始まるのかと

そんなような顔をしていた



さん、お久しぶりです」



そう進が挨拶をすると 夫妻は久しぶり と言葉を返す

それと同時に も進夫妻に挨拶をすれば進夫妻も笑顔で返してくれた



「本日はお忙しいところを申し訳ありません」

「ですが、僕たちは重大な話しをしなくてはいけなくて」

「なんなんだ?」

「お母さん、お父さん、私...清十郎と結婚する」

「何だって!?」



その言葉に激怒したのは誰でも無い、 の父親だった

驚愕の表情のまま、顔は茹蛸のように赤くなってフルフルと震え

今にも噴火しそうな活火山のよう

それとは反対に、穏やかに 良かったね と祝福してくれるのは

進夫妻のほうで



「君はまだ学生じゃないか!」

「解っています、結婚してもいい年代になっていない事は重々承知です
ですから、婚約したいとおもっています」

「かりに婚約して君は将来良い職に就けると言えるかね!?」

「清十郎はきっと良い職に就けますよ」



な? と穏やかに言うのは進の父

それを一蹴して の父は再び声を荒げる



「俺は将来不安な男と婚約なんて許さない」

「職はこれから死ぬ気で良いところを見つけます、なれなくても
三流れだろうと、一流れに入ってみせます」

「ならそんな苦労をして、無理があっても君は
幸せに出来るのか?一生一緒にいれるか?愛せるか?」



その言葉に進は暫らく黙る、言葉にしたら軽くなりそうで

言葉にしたらくずれそう

その時 が進の手を取った



「......します、なんて断言出来ません。一生なんて軽く考えられない
愛してるなんて軽々しく言えない、そう思っても
どんな時でも さんと共にありたいと思っています」



試合の瞳をした進に誰も適う筈が無い、勿論彼女の父だって適いはしない

それでも、 の父は...いや......それだからこそ

の父は進の言葉を信じたんだろう



「君が18になったなら、結婚を許そう」



そう の父が言うとテーブルの下で握られた手はいっそうきつく結ばれた



「あなた...、もう言いきったんだからそんな顔しないの」



踏ん切りがついたといえど、たった一人の一人娘

父は少し複雑な顔で二人を見ていた



「共にあり続けたいと思う限り」

「私達は離れない」

「「ありがとうございます」」





完。









=アトガキ=

意味解りません。(お前が書いたんだろう)
途中から適当だし...あ、最初からかも
逃げるが勝ちっていうでしょう?
ということで、さようならぁ〜